量子計算スタートアップのYaqumo(東京都千代田区)と量子ソフト企業のEntropica Labs(シンガポール)は、国際共同研究開発に関する覚書(MOU)をシンガポールで締結しました。署名はシンガポール政府と日本の内閣府関係者が立ち会い、誤り耐性量子計算(FTQC)に向けたハードウェアとソフトウェアの統合を見据えた連携枠組みを設けます。MOUは法的拘束力を持たない非拘束的な合意です。
背景として、量子計算の実用化には計算エラーを抑える量子誤り訂正が重要で、装置(ハード)に合わせて量子回路を変換・最適化する「トランスパイル」など、ソフト側の最適化との一体設計が求められています。Yaqumoは冷却原子型量子コンピュータの開発を進め、Entropica Labsは量子誤り訂正ソフトウェアアーキテクチャや量子回路最適化の知見を持つとされます。両社は冷却原子型量子コンピュータに適したハードウェア指向トランスパイルの共同検討などをテーマに、技術的意見交換や共同研究の可能性を探ります。
MOU締結は、シンガポールのデジタル開発・情報大臣ジョセフィン・テオ氏と、日本の科学技術政策担当大臣の小野田紀美氏による日星両国の大臣会談に合わせて行われたといいます。今後は検討内容を具体化し、FTQC実現に向けた研究協力の範囲や方法を段階的に整理していく見通しです。
